(注意)この物語は、Shinが20数年に渡り思い描き続けた架空のものです。登場する人物、団体、車、使い方、呼び方等、その他一切について、実在するもの等とは関係ありません。もちろん、道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。

<448 第七十一章 「神の御加護」(GOD BLESS) Chapter 08>
【2005年9月15日 木曜日。瀬戸内海に浮かぶ、魔の海域にあるという、極東神拳(ごくとうしんけん)の本部がある斬神島→本土へ向かうフェリー内。】

とりあえずのハッピーエンドを迎えた後。
拳子達と別れ、場所は帰りのフェリーの中。

本土へ向けての帰路に着いたのは、池神わかな、眞神藍丸とハカセ、そして、吉小神 和歌子(よしおか わかこ)。

フェリーのデッキ、いわゆる、展望デッキと呼ばれる、フェリー後部の露天スペースで手すりに肘を付き、海を見ているわかな。その髪を心地よい海風がなびかせる。

わかな 「結局、何が伝えたかったのかしら。」(自分の用事が済んだら、フクロウのオヤジも居なくなるし…)
フクロウのパペットが消えてスッカラカンの右手を見て溜息のわかな。

藍丸 「何がやねん?」
わかな 「あなたもそうだけれど、エメラルドの大メダリオンの事ですわ。」

藍丸 「宿っとったのが神々の食べ物。確か、不老不死の効果があるそうやてな。」
わかな 「でも、結局、何も無かったじゃない。」
ハカセ 『それだけ、すごい何かを持っとる存在やという暗示や。暗示。』
わかな 「暗示ねぇ…」

不機嫌そうな流し目で頬杖を着いたまま目線を外すわかな。

和歌子 「食べなければ元気になれません。元気でなくては幸せにはなれません。」
ニッコリ笑顔の和歌子。
わかな 「そうですわね。」
わかなはふと、かつて、祖母であるまどかも同じことを言っていたことを思い出した。

和歌子 「エメラルドの大メダリオン。ご主人様の家系に伝わる勇者の力ですね。」
藍丸 「せやな。代々牧原家に伝わるという、大地の勇者の力の源やねん。」
藍丸がドカッとわかなの横の手すりに背中越しに手をかけもたれ掛った。

藍丸 「なぁ、わかなはん。」
わかな 「何かしら?」
藍丸 「今、この地球上から一番先に失われてしまいそうなんはなんやと思う?」

わかな 「自然…かしら?」
藍丸 「ビンゴや。せやけどな、それって、誰はんのもんやろな。」
わかな 「…」

目を閉じ口元を細める藍丸。ふと目を開くと今度は和歌子の方を見た。

藍丸 「和歌ちゃんはどー思う?」
和歌子 「そうですね。大地の恵みによって美味しい食材をいただけるのですから、誰のものでも無く、生きとし生きる全てのものだと思います。」
藍丸と和歌子、目を見合わせてニッコリ。その視線はわかなへ向けられる。

藍丸 「それを伝えようとしてくれたんかもしれへんで。」
わかな 「確かに…そう考えるべきでしょうね。」

藍丸 「それにや。幾重にも分かれてなお、迫り来るテラーの脅威の存在を知らせてくれたんやろな。」

??? 「護符の名前…それは夢ですじゃ。」
わかなのイマジネーションに見覚えのある女性の姿と声が響く。

わかな 「夢…ねぇ…」
あからさまに不機嫌そうな顔で視線を外すわかな。

わかな (…だから…一方通行過ぎるって事、理解しているのかしら…)

それを見てか見ないでか。和歌子と藍丸が顔を見合わせてクスクス笑っていた。

藍丸 「おっ、そろそろ港に着く頃やな。ほな、エメラルドの大メダリオンと緑のロケットは任せたで。」

館内にもうすぐ本土の港に到着する旨のアナウンスを聞きながら、ゆっくりと展望デッキから下の駐車スペースへと移動する藍丸、わかな、そして、和歌子。

そして、フェリーに停めてあった、ドゥカティ・モンスター(Ducati Monster)S4Rにまたがると、いつもの深々と被ったベースボールキャップを脱いでハーフキャップのヘルメットを被り、そして、バイザー越しの眼鏡をキラリと光らせる。服装はパタゴニア(アウトドアブランド)の真っ赤なパーカーにGパンとラフなスタイルは相変わらず。

わかな 「あなたはどうする気ですの?」
藍丸 「うちは夢叶えてもらったからな。今度はうちが恩返しする番や。」
ハカセ 『せやな。』
わかな 「恩返しって?」

ドゥカティ・モンスター(Ducati Monster)S4Rのイグニッションをオンする藍丸。

ドドドドドッ…

藍丸 「青の記憶のおかげやからな。それに、まだ、見つけてへんヤツ(護符)がおる。」
ドゥカティ・モンスター(Ducati Monster)S4Rのエグゾーストノートが響き、藍丸の言葉がかき消された。

ドドドドドドドドッ…

わかな 「は?」

藍丸 「何でもあらへん。ほなな。」
わかな 「どこへ?」
藍丸 「ちょっと、ツテを辿ってな。」

わかな 「だから、どこへと聞いているでしょう?」
爆音に両耳を塞ぎ、声を大きく問いかけるわかな。

ハカセ 『ノーコメントや!』
わかな 「わかりました。どうぞ、お好きにあそばせ。」

ハカセの皮肉たっぷりの言い回しにも、もう慣れた様子のわかながニッコリと見送る。

そして、フェリーが着岸すると、昇降用のハッチがゆっくりと降りる。
それを確認し、船上員の指示でバイクを動かす藍丸。

藍丸 「ほなな。」
和歌子 「気を付けてね。また、みんなで一緒に修行しましょうね。」
わかな 「ではお気をつけて。」

ドドドドドッ!!

ドゥカティ・モンスター(Ducati Monster)S4Rがエグゾーストノートを残してフェリーから降り立ち、そのまま、背中越しに手を振りながらその場を去る。

藍丸 (ワイルドマイトとキャプサイズ、いや、大地の勇者と海の勇者の調和を取ってきたらなあかんねん。それが本当にうちに課せられた使命やからな。ほんで、あと一枚…探さなあかん(御符)ヤツもおるしな。)
ハカセ (うちは、ねじまがった伏線だらけのストーリーをもう一度整理せなあかんねん。)

ここで、藍丸とハカセが一時離脱。

わかな 「さて…」
わかなと和歌子がフェリーから港に降りる。

パッパー!

聞き覚えのあるクラクションの音。

わかな 「…」
神 「迎えに来ましたよ。」

フェリーの駐車場に、アリタリア航空カラーのラリー仕様に仕上げられているランチャ ストラトス ストラダーレが停まっている。
そして、その横に立つ神 颯太郎。

和歌子 「ウフフ。さすがは相方さんですね。」
わかな 「だ、ダれガあいかたでスって?!」
声を裏返させながら顔を真っ赤にしてジタバタするわかなを見て思わず笑う和歌子。

神 「僕の車は二人乗りなので、吉小神さんにはハイヤーを準備してます。」
和歌子 「あらあら。私なら、歩いてでも帰れますのに。申し訳ございません。」
取り乱すわかなを横目に、深々と頭を下げる和歌子。

<ハカセによる余談。>
さて。拳子はんらがどうなったか、気になるやろ?
せやから、うちが教えてやるで。

元来、武道に興味を抱かず、実業家として手腕を発揮した長男はんのおかげで、すでに、借金の大半は返済のめどが立ってんねんで。
ほんで、次男はんと三男はんは真なる強さを求めて総合格闘技の世界へ進出や。
こっちも、今大ブームやから、結構な稼ぎになるやろ。

ただ、残念ながら、それまでの悪どい事して儲けた金もあんねんから、一応、当面は極東埜神拳は一時凍結っちゅう話や。
拳世はんと拳子はんは、和歌ちゃんと一緒に大食拳の修行を行うそうやで。

いつの日か、借金を完済し、極東埜神拳を復興させるその日まで。

ちなみに、ビストロの三幹部もまた、拳世はんと一緒に大食拳の修行を行うそーな。
え、名前覚えてへん? 本願寺 力太はん、猿飛 邪貴雄はん、ほんで、天野寺 夜久代はんや。

っちゅーわけで、緑のタリスマン…もとい、藍丸の夢の章 完結や!

ついでに、作者の燃え尽き症候群と、ヘボットロスと、文面全面改修の為、この物語も、第一部完結や!
いつの日か、文面整理と作者のやる気を復興させるその日まで。

っちゅーわけで、またな!!
<以上、余談終わりや。>

(注意)この物語は、Shinが20数年に渡り思い描き続けた架空のものです。登場する人物、団体、車、使い方、呼び方等、その他一切について、実在するもの等とは関係ありません。もちろん、道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。

<447 第七十一章 「神の御加護」(GOD BLESS) Chapter 07>
【2005年9月15日 木曜日。瀬戸内海に浮かぶ、魔の海域にあるという、極東神拳(ごくとうしんけん)の本部がある斬神島。さらにその奥にある本部内。】
※ちなみに、極東埜一家のセリフのカギカッコの後ろに(殺Voice)と注記の無い場合は、(萌Voice〜普通Voice)です。

クロワッサン 「ミオ・アモーレ〜! そう、そして、いくつもの姿を持つ謎の存在。その実態こそ…」

バババァァァンッ!!

拳一郎 「?!」
拳次郎 「!!」
拳三 「!?」
拳世 「??」
拳子 「お父様ではありませんか!!」

拳 「そう。私こそ、極東神拳が始祖。極東埜 拳なのである! どうじゃ、ビックリしたか?」

わかな 「…何、この展開…」
和歌子 「あらら…」
藍丸 「まさか、本家本元の自作自演やったとは…」
ハカセ 『まぁええ。ちゃっちゃと緑のロケットもろーて帰るねん。』

拳一郎 「…」
拳次郎 「何故に父者はその様な自演をしたぜよ。」

拳 「実はのぉ。拳一郎の言う通り、今の時代。極東神拳として活動していうくのみでは収入に限界があってのぉ。手っ取り早く金を稼ぐために怪盗になったのじゃよ。」
拳三 「それでは違法でごわす。」
拳 「まぁの。昔は何故かは知らぬが、我が極東神拳に加入して本尊様を祈るだけで拳次郎や拳三の様なゴツイ肉体を簡単にゲッチュできたんじゃ。しかし、その本尊様もすっかり御加護が消えてしまったしの。」
ハカセ 『ご本尊様って何やねん。』
拳一郎 「おそらく、大いなる緑の力の源であるでおぢゃる。」
拳 「その通りじゃ。長老の持っておるご本尊様として代々伝わる『世界を目覚めさせる者』を復活させようと試みたのじゃ。」
券が懐から取り出したのは、ただの意味不明な人物の形をした木像だった。

藍丸 「プレインズウォーカーのことやな。緑のレジェンドクリーチャーや。」
ハカセ 『他力本願甚だしいヤツラやな。』
拳子 「それこそ、極東埜神券の極意です。」
一堂腕を組んで何度も頷いた。

藍丸 「そこ、頷くとこやあらへんで…」
わかな 「…同感ですわ。」

拳 「もし、それが失敗しても最悪、ワシが賞金首にでもなれば、懸賞金もガッポガッポ手に入り、ウハウハになるかもしれんではないか。それにのぉ…」

拳世 「それに、何なのじゃ?」
拳 「長老そのものも自分の死期を悟ってのぉ。極東神拳運用名義で借りに借りた借金2億円を返すまでは死んでも死にきれんと長老に泣きつかれ仕方無しにのぉ。」
拳子 「におくえん?」
拳子、はちゅ目で頭から煙を上げる。
拳三 「しかし、父者よ。長老は日本でも有数な土地財産を持っておったのではないでごわすか?」
拳 「昔の話じゃて。かつて、大地主だった長老の土地財産も借入金の担保ですっかり枯渇してしまったのじゃ。」

拳一郎 「そんなことは言われずとも判っておったでおぢゃる。それ故、麿自ら脱他力本願し、選ばれし者となって、衰退著しい極東埜神拳を解散し、ビジネスマンとして起業したいと常々画策していたのでおぢゃる。」

拳 「よう言うた。それでこそ、我が息子じゃ。」

拳が懐から取り出したモノをわかなに手渡す。
わかな 「これは?」
拳 「これはもう必要ない。元の持ち主へお返しいたす。」

紆余屈折を経て緑のロケットが無事にわかなの元へ返却された。
わかな (紆余屈折どころじゃありませんわ…)
わかなもさすがに苦笑い。

拳 「いろいろと迷惑をかけてすまなかった。」
そして、全員の前に土下座をする。

拳次郎 「父者!」
拳三 「どうして自分らに言ってくれんかったでごわすか。」
拳世 「そうですのじゃ。全て自作自演だったなんて信じがたいのですじゃ。」

拳 「今のままでは極東埜神拳は衰退の一途を加速度を上げて辿り、行きつく先は消滅するのみじゃ。多大な借金と負債をかかえ、運営経費は底を尽き、借金地獄で破産寸前。頼みの綱の長老もモウロクし、ご本尊様も役立たず。しかし、お前達だけでなく、門下で残ってくれた100人の弟子達を路頭に彷徨わせるわけにはいかんかったんじゃ。」

和歌子 「それで、拳子ちゃんは派遣ヒットガールをやってまでお金を稼いだんですのね。」
拳子 「そこまでは拳子も知りませんでしたです。」
拳世 「わらわも、うさピョンマスターの時にはサーカスや娯楽施設の運用管理、果ては賭博施設の警備などで働いておったのじゃ。」
ハカセ 『聞くも涙、話すも涙やな…』
ゲンゴロウ 『気が付けば 心も財布も スッカラカン…字余りじゃ。』

拳 「本来は、自らを鍛える事に集中してほしいのはヤマヤマなのじゃ。じゃが、極東埜神拳の目的がいつしか、極東埜神拳の存続を守る為へとすり替わってしまったのじゃ。」
拳子 「どんなに借金があったとしても、皆で協力して返済すればいいではないですか!」
拳 「いや。これは、長たるこのワシの責任じゃ。お前達や門下生には一切の責は無い。じゃから、お前達は兄妹達を仲良く、そして、独立して欲しかったんじゃ。」
口を真一文字に結び、大粒の涙を流す拳。その光景を目にした兄妹達は言葉を失った。

わかな 「ところで、お父上さんは、三本の矢のお話はご存知ですわよね。」
拳 「もちろんじゃ。」
わかな 「あなたは、三本では無く、五本の矢をすでにお持ちですのよ。少しは子供達を信用してあげてはいかがでしょうか。」

拳一郎 「そうでおぢゃる。なぁ、皆のもの。」
その他四名 「もちろん!」
手と手をガッチリ合わせて、兄妹協力する。

拳世 「父者よ。わらわも気が付いたのじゃ。地位や名誉は関係無いのじゃ。わらわ達はこれからもずっと極東埜神拳の元で自らを鍛えたいのじゃ。」
拳次郎 「そうだぜよ。例え、今、疎き目にあったとしても、いつかは必ず極東埜神拳の名を世界へもう一度轟かせたいぜよ。」
拳三 「もちろんでごわす。それ故、父者一人に辛い思いをさせる気は毛頭無いでごわす。」
拳子 「その通りですわ!」

五人の兄妹が父の手を取って輪になり、そして、感涙にむせび泣いた。
拳 「お前達…」
拳もさらに、顔をクシャクシャにして涙を流し感動。

ハカセ 『マジでエエ話やんか…』
ゲンゴロウ 『まさに、神の御加護とはこのことじゃのぉ。』
パペット二匹がワンワンと涙を流して感動していた。

(注意)この物語は、Shinが20数年に渡り思い描き続けた架空のものです。登場する人物、団体、車、使い方、呼び方等、その他一切について、実在するもの等とは関係ありません。もちろん、道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。

<446 第七十一章 「神の御加護」(GOD BLESS) Chapter 06>
【2005年9月15日 木曜日。瀬戸内海に浮かぶ、魔の海域にあるという、極東神拳(ごくとうしんけん)の本部がある斬神島。さらにその奥にある本部内。】
※ちなみに、極東埜一家のセリフのカギカッコの後ろに(殺Voice)と注記の無い場合は、(萌Voice〜普通Voice)です。

その場に戻った、藍丸、拳子、そして、わかなと和歌子。
その前には、極東神拳五兄妹が長兄、極東埜 拳一郎(ごくとうの けんいちろう)を筆頭に、拳次郎、拳三、拳世が立っていた。

もちろん、拳世はウサギの着ぐるみを再び着る事は無かった。

拳一郎 「よくぞ、夢対決で日没までに拳世に勝利をすることができたでおぢゃる。」

極東神拳五兄妹が長兄、極東埜 拳一郎(ごくとうの けんいちろう)が手を叩きながら一同を迎える。

わかな 「ちょ、ちょっと待ってくださいませ!!」
わかなが顎が外れそうな程驚愕の表情で拳一郎を見る。
藍丸 「ナハハ。驚くのも無理ないけどな、キャラが違い過ぎやで…」
和歌子 「?」

ちなみに以前説明した通り、その風貌から見た目はまさに池神 英将と瓜二つであった。
しかも、他の弟妹とからは想像もつかない程の低い身長に華奢な体型。まるで平安貴族の様ないでたちは、見た目だけはとても、極東神拳の延長線上、いや、その頂点の一部に居るとは思えない。

わかな 「誰がどう見てもお兄様瓜二つじゃないですか…」
拳一郎 「それ程驚かれるということは、本当に似ているのでおぢゃるのぉ。」
ゲンゴロウ 『どっかの誰かさんともクリソツじゃ。』
今現在、わかなの右手に装着されているフクロウのパペット。
わかな 「何ですって?」
ゲンゴロウ 『いや、こっちの事じゃワイ。思い出したくも無いぞい…』

藍丸 「こうやってみると、拳次郎はんと拳三はんが規格外の体格っちゅうわけやな。」
藍丸が拳世と拳子、そして拳一郎にウインクしながら言った。

拳一郎 「本音を申すと、拳次郎と拳三も我が一族に伝わる大いなる力の元のおかげで今の姿があるでおぢゃる。」
ハカセ 『なんやねん?』
拳一郎 「だがしかしでおぢゃる。物理的な力のみに頼っていては生計、いや、我が極東神拳の運営資金を捻出することができないのでおぢゃる。」
藍丸 「それって、力じゃお腹いっぱいにならへんってことかいな。」
拳子 「でしたら、尚更大食拳の…」
その言葉を遮ったのは誰でも無い和歌子。
和歌子 「とりあえず、拳一郎さんのお話をお聞きしましょう。」
拳子 「はいですわ。」

ハカセ 『さてや! コールタール・ドブ川さんが大いなる緑の力の代わりに、間違って盗んだっちゅう、うちらの仲間の大切なモンを返してもらうで!』
と、せっかくまとまりかけた話の腰を一刀両断にへし折る勢いで大声を上げながら登場したハカセ。

藍丸 「カルーセーヌ・クロワッサンや…って。おお、ハカセ、おったんかいな。」
ハカセ 『うちはいつでも藍丸のソバにおんねんで。』

和歌子 「仕方ないですね。」
さすがの和歌子も思わず苦笑い。

拳子 「拳一郎お兄様、私からも改めてお願いします。どうか、お父様と長老様に取り次いではいただけないでしょうか。」
拳世 「拳一郎兄者。わらわからもお願いするのじゃ。」
二人の姉妹が深々と頭を下げる。

拳次郎 「いやぁ、しかし、拳子だけじゃなきに、拳世までウルトラスーパー綺麗になっちゃきに。お兄ちゃん、ウルトラスーパーびっくりマンぜよ。」
拳子 「まぁ、拳次郎お兄様ったら、相変わらずお世辞がお上手ですわ。」
拳世 「そうなのじゃ。面と向かって言われると恥ずかしいのじゃ。」
2m近い大男と大女がクネクネ萌ぇな会話発動。

拳一郎 「もちろんわかっているでおぢゃる。麿も父者と長老に申したいことがあるでおぢゃる。今から、儀式の取りやめを申し出てくるでおぢゃる。」

拳子 「拳一郎お兄様!」
拳次郎 「さすがは兄者。」

拳世 「拳三兄者も異論は無いかなのじゃ?」
拳三 「無いでごわす。」

わかな 「しかし…何かものすごい異様な光景ですわね。」
和歌子 「拳子ちゃんと拳世さんだけでも大きく感じますのに、それよりも大きな男性がさらに二人もおられる上に、英将さんにそっくりな長男さんですものね。」
わかな 「正直…何も考えたくはないですわ…」

拳一郎 「もはや、偶像の力と自らの肉体だけでは今の時代を生き抜くことは難しいでおぢゃる。これからも麿もビジネスマンとして起業するつもりでおぢゃる。」
拳次郎 「なんと。」
拳三 「それは誠でごわすか。」

拳一郎 「そうでおぢゃる。他力本願ではない、自らの力で未来を切り開くことが我らが一族には必要なのでおぢゃる。」
拳世 「拳一郎兄者。」
拳子 「拳一郎お兄様。」

拳一郎 「まさに、それは試練かもしれん…でおぢゃる。」

わかな 「は?」
ゲンゴロウ 『プッ…』
??? 『プッ…』

拳一郎の寒すぎる親父ギャグに反応したのは…
ゲンゴロウだけでは無かった。一同が声のした先を見る。
そこに立っていた老男性は…
どこかで見覚えのある、白髪ロンゲ、口と顎にハルクホーガンの様な白髭を蓄え、白い鉢巻きに剣道着を着用。

拳子 「一嶄師範様?!」

そう。まさに、藍丸の夢の世界にも登場した、現実世界でも大衆食堂拳の使い手で、和歌子と拳子の師匠である壱丹治 弌嶄(いちにち いちぜん)師範である。

拳一郎 「何者でおぢゃる?」

弌嶄 『問われて名乗るもおこがましいが生まれは備中松山在、十四の頃から親に放れ、身の生業も瀬戸の荒波を越えたる夜稼ぎの、盗みはすれど非道はせず。人に情けを掛川の、瀬戸の島々を宿々で義賊と噂高札に廻る配符のたらい越し危ねえその身の境界も、最早四十に人間の定めは僅か五十年、六十余州に隠れのねえ賊徒の大衆食堂拳が師範代 壱丹治 弌嶄(いちにち いちぜん)とはこの俺様の事でぃっ!!!』

いよぉぉぉぉぉっ!! ポンポンポンポンポンッ!!(歌舞伎風味な効果音)をBGMに歌舞伎がごとく見栄を切りポーズを決める。
名乗りの通り、大衆食堂拳の使い手、師匠である壱丹治 弌嶄(いちにち いちぜん)である。

拳一郎 「は?」

一嶄 「よう言うた。さすがは、我が息子よ。」
拳一郎 「ナンデスト?!でおぢゃる?」

わかな 「我が息子って、あなたはいったい?!」
藍丸 「何者なんや!」

一嶄 「壱丹治 弌嶄(いちにち いちぜん)とは世を欺く仮の姿じゃ。」

バッ!!

そのまま、手にした竹刀を振りかざすと、着ていた道着が宙に舞う。
一嶄 「ある時は大衆食堂拳の師範代。また、ある時は掃除夫のおっちゃん。」
今度は夢の世界に出てきた掃除夫のおっちゃんの姿に変わる。

掃除夫のおっちゃん 「また、ある時はカリスマ漁師。」
今度は夢の世界に出てきた地元漁業組合の名誉会長の繰田 熊五郎(ぐりた くまごろう)の姿になる。

拳子 「まぁ! 泣く子も黙る神喰島一のアライグマ漁師さんではないですか!」
藍丸 「せやからカリスマやっちゅーに。」

繰田 「そして、ある時はお宝を求めて闇から闇へと飛び回る謎の怪盗。」
今度は真っ黒なマントにシルクハット。左目には付け眼鏡のまさに怪盗装束に変身する。

藍丸 「まさか、あんはんは、伯父はんの永遠のライバル怪盗カールセーヌ・クロワッサン?!」

クロワッサン 「そう。そのとーり〜! 何を隠そう、この私が怪盗カールセーヌ・クロワッサンであーる・デコ〜。」

わかな 「っていうか、正体は一体何者なんですの?」
和歌子 「先ほど申された通りだと思いますが。」

クロワッサン 「ミオ・アモーレ〜! そう、そして、いくつもの姿を持つ謎の存在。その実態こそ…」

バババァァァンッ!!

拳一郎 「?!」
拳次郎 「!!」
拳三 「!?」
拳世 「??」
拳子 「お父様ではありませんか!!」

拳 「そう。私こそ、極東神拳が始祖。極東埜 拳なのである! どうじゃ、ビックリしたか?」

(注意)この物語は、Shinが20数年に渡り思い描き続けた架空のものです。登場する人物、団体、車、使い方、呼び方等、その他一切について、実在するもの等とは関係ありません。もちろん、道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。

<445 第七十一章 「神の御加護」(GOD BLESS) Chapter 05>
【2005年9月15日 木曜日。日本のエーゲ海と呼ばれる瀬戸内海に浮かぶ島の一つ、その名も、ゴッドイーターアイランド神喰島)にある聖大食拳学園。】

和歌子 「一件落着ですね。」
藍丸 「そうやな。」

ゲンゴロウ 『では、この世界の調和も元に戻ったところで、そろそろ現実世界に戻る時間じゃ。』

わかな 「アナタの力で戻れるのでしょうね?」
ゲンゴロウ 『オフコースじゃわい!』

わかなの方を見て親指を立てるゲンゴロウ。

ゲンゴロウ 『このワシをダレじゃと思うとる。』
わかな 「さぁて。誰だったかしら?」
ゲンゴロウ 『心底ガックリシャックリじゃわい。』
わかな 「ウソですわ。う・そ。うふふ。」

<場面転換>

一堂、学園の正門の前に立っている。

ティガー(携帯Ver.) 『いよいよお別れだグル。』
スピアーノ(携帯Ver.) 『短い間ですが、お世話になったですラビ。』

藍丸 「そういや、そうなるんやな…なんや、自分の夢の世界ッちゅー割に、めっちゃ寂しいな。」

和歌子 「スピアーノちゃんのことは絶対忘れませんわ。」
スピアーノ(携帯Ver.) 『もちろんですラビ!』

その横ですでにドラゴ(携帯Ver.)を抱いて号泣している拳子がいる。

ギャロップ(携帯Ver.) 『イブキ、いや、ネルトゥスとクレナイの姿が見えない様だギャ。』
ゲンゴロウ 『奴らなら、一足先に元の世界へ戻って行ったわい。』
わかな 「気が早いというか、相変わらず一方通行というか…」
わかなが両手を上げ、お手上げのジェスチャー。

ゲンゴロウ 『そういうでない。まだ、テラーの脅威のたった一部を退治したに過ぎんのじゃからのぉ。』
腕を組み遠くを見つめるフクロウのパペット人形。
ギャロップ(携帯Ver.) 『たったの一部だギャ。』
わかな 「たったの一部ね。」

ちなみに、その隣では泣き咽ぶ拳子を介抱する和歌子。
ドラゴ(携帯Ver.) 『…そんなに泣くなドラ。』
拳子 「でもぉ…うっく…これでドラゴちゃんとお別れなんて…ひっく…悲し過ぎますですわ…」
和歌子 「大丈夫ですよ拳子ちゃん。」
スピアーノ(携帯Ver.) 『夢を失わない限り、イマジネーションを通していつでも会うことができるですラビ。』
拳子 「はいでふ…うぇぇぇぇぇぇぇん!」
何をどう話しても、もはや涙しか出ない拳子。

ドラゴ(携帯Ver.) 『…鼻水も出てるドラ。』
スピアーノ(携帯Ver.) 『台無しラビ。』
和歌子 「あらら。」

そして、その束の間の平和の様子を笑顔で見守る面々。

わかな 「そういえば、この世界は、藍丸さんの夢の世界でしたわよね。」
藍丸 「そうや。」
和歌子 「わかなさんがこの世界に呼ばれたのも、結果的には偶然では無く必然だったんですね。」
わかな 「よく言いますわ。こう見えて、かなり高いハードルを越えて来たんですのよ。」
藍丸 「せやな。危うく、現役女子高生のまま、御用になるかもしれへんやったもんな。」
わかな 「全く、冗談じゃありませんわ。」

一堂に笑い声が響く。

拳子は相変わらずドラゴ(携帯Ver.)を抱いて号泣中。

その面々の前に、拳世が生徒会長の席から立ち上がる。その横にはもちろん、元三幹部の生徒会執行部の三人が居る。

拳世 「わらわも粗方のストーリーを思い出したのじゃ。元の世界へ戻って、父者と長老様、そして、拳一郎兄者に事情を話してロケットを返してもらう様に頼むのじゃ。」

藍丸 「ところで、元三幹部の生徒会執行部の皆はんはどうなるんや?」
拳世 「それは心配ないのじゃ。三人とも、元の世界でもわらわの門下生なのじゃ。」

本願寺 「そういう事ッテ感じ。」
猿飛 「そうだでヨォ。」
天野寺 「また、どっかで会うかもしれねぇゼ。」

わかな 「なら、問題無しですわね。」
藍丸 「そういうことやな。」
和歌子 「では、ゲンゴロウさん、よろしくお願いします。」

ゲンゴロウ 『うむ。元の世界に戻るぞい。』

【ナレーションの声】
いきなりだが、私もマジメイのナレーションとしての登場が最後になる前に説明しよう!

ハカセの渡した、夢と現実という二分割カードの護符。
そのうち、夢を藍丸が青の魔法力で唱えて生み出した、藍丸自身の夢の世界。
ちなみに、参照は<373 第五十九章  「夢か、うつつか」(WAKING OR SLEEPING) Chapter 03>である。

拳一郎の示した条件である、護符を使った夢の対決で、見事拳世に勝利した藍丸達は約束通り、リミットであった日没までに拳一郎の元へと戻る事に成功したのである。

そして、無事に戻って来た元の世界は、時は同様に2005年9月15日 木曜日の午後5時。
場所も、同様に、瀬戸内海に浮かぶ、魔の海域にあるという、極東神拳(ごくとうしんけん)の本部がある斬神島。さらにその奥にある本部内である。

ということで、私もこれにてお役御免となるのである!
では、お別れの前に…

こうして、聖大食拳学園に本当の平和が訪れた。
ありがとう! メイティーグル!! ありがとう! メイドラゴーネ!!
ありがとう! メイラパン!! ありがとう! メイカヴァッロ!!

そして、今回もごちそうさま!!

しかし、まだまだこの世界を狙う魔の手は衰えを知らない。いや、それどころか何やらよからぬ目的目がけて、悪事の勢いを増す一方だ!

頑張れ、僕らのメイティーグル!
負けるな、我らのメイドラゴーネ!!
闘え、みんなのメイラパン!!!
そして、みんなの夢を守れ! メイカヴァッロ!!!

闘え! 世界のスーパーヒロイン!マジメイドリミードリーマー+1!!

短い間だったけど、応援ありがとう!!
【以上、ナレーション終わり。】

(注意)この物語は、Shinが20数年に渡り思い描き続けた架空のものです。登場する人物、団体、車、使い方、呼び方等、その他一切について、実在するもの等とは関係ありません。もちろん、道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。

<444 第七十一章 「神の御加護」(GOD BLESS) Chapter 04>
【2005年9月15日 木曜日。日本のエーゲ海と呼ばれる瀬戸内海に浮かぶ島の一つ、その名も、ゴッドイーターアイランド神喰島)にある聖大食拳学園→黒幕ラスボス最終決戦決着!】

音矢 (ありがとう、みなさん。ようやく、姉と再会することができました。)

良く似た顔立ちの女性もニッコリと微笑んだ。
そして、二人の手に光となったアースヴァイオリンがゆっくりと降りてくる。
そのヴァイオリンを手にした魔矢と音矢。

わかな 「それは和音さんから預かりましてよ。」

魔矢 (ということは…あなたが…)

わかな 「ええ。私が闇斎の忘れ形見ですわ。」

音矢 (本当に申し訳ありませんでした。)
魔矢 (兄はただ操られていただけなのです…)

わかな 「その話はすんだこと。今は、あなた方のおかげでテラーの脅威の一部を封印することができました。そちらの方がアタシ達に取って本当に感謝すべきことです。」

音矢 (ありがとうございます。)
魔矢 (最後に、これを…)

魔矢の差し出した手から、黒色の光がわかなの掌に渡された。

わかな 「これは?」

その光が黒い涙の結晶へと変化する。

魔矢 (私がレイディアントの封印の為にささげた身代わりにもらった、神龍の涙の結晶です。)
わかな 「神龍の涙の結晶?」
魔矢 (はい。おそらく、兄が求めていた黒のタリスマンの力の根源だと思います。)
わかな 「なるほど。」
魔矢 (これは、あなたが持つにふさわしい物。もう、二度と奪い合いが起きない様、心より祈っております。)
わかな 「心得ましてですわ。」

音矢 (兄の異変だけでは無く、今、この時代のテラーの脅威の影響の強さが増しています。)
わかな 「その様ですね。」
音矢 (くれぐれも過去の過ちが再び起きない様に…)

わかな 「わかりましたわ。これはあなた方から我々への警笛だと認識しておきます。」

魔矢 (では…古より地球を守りし勇者の末裔に…)
音矢 (神の御加護がありますように…)

二人がまるで天使が羽ばたくかのように光の羽根を羽ばたかせながら、眩しく差し込む光に向かって飛び立ち、やがて、消えていった。

わかな 「とりあえず、ひと段落かしら…」
消えていくシルエットを目を細めて見送るわかな。
わかな 「っていうか…天使っていうより、シルエットだけをみたら確かに神龍(ドラゴン)にも見えるわね。」
すると、わかなの掌の涙の結晶が輝きながら姿を変える。

わかな 「やっぱり、これが黒玉の大メダリオン(ジェット大メダリオン)だったのね。」
わかなが掌の漆黒に輝く大メダリオンをしっかり胸で握り締めた。

拳子 「拳世お姉様!!!」
安堵の表情のわかなの横から声を上げ、地鳴りと砂煙と共に、第一歩目から最高速のダッシュで走り出す拳子。

わかな 「何ですの?!」
藍丸 「あすこや! あすこ!」
藍丸が指差した先、そこには、先ほどまで兎霊禰闇徒が居た場所に、女性が一人倒れていた。
和歌子 「拳世さんですね。ようやく、ウサギさんの呪縛が解けたのですね。」
普段通り、ニッコリ満面の笑みの和歌子が優しく見つめる。

拳子が猛スピードで走りより、そして、某アラレちゃんの様に踵急ブレーキ。
そして、その女性を抱き上げた。

拳世 「わ…わらわは…」
拳子 「拳世お姉様!」
拳世 「…拳子なのか?」
拳子 「はい! 拳子ですわ。御無事でなによりですわ!」
拳世の無事を確認して、安堵の表情の拳子の目に涙で光っている。

拳世 「とても長い夢を見ていた様なのじゃ…」
まだ、どこか遠くをボーっと見ている拳世。拳子の腕に抱かれ、少しずつ闇の記憶が薄れていくのをただただ感じていた。

<場面転換>

兎霊禰闇徒を完全に消滅させることに成功したわかな達は、拳世と一緒に完全に元に戻った聖大食拳学園の生徒会室に戻って来ていた。

拳世 「何とお礼を言ったらいいのか…」
深々と頭を下げる拳世。

本願寺 「でも、ぶったまげたッテ感じ。」
猿飛 「そうだでヨォ。拳世様がこんなにお美しいお姿だったとは…」
顔を真っ赤にして頬を掻きながら目線を逸らすのは生徒会書記の本願寺 力太。生徒会会計の猿飛 邪貴雄(さるとび じゃきお)であった。

天野寺 「まぁ、無理もねぇゼ。女のこのアタイでも嫉妬するくらいだからな。」
生徒会副会長の天野寺 夜久代(あまのじ やくよ)も腕を組んだまま苦笑い。

拳子 「拳子もお姉様が着ぐるみを脱がれた姿にお会いするのはとてもお久しぶりです。」
藍丸 「ハハハ。なんや、ウサピョンマスターやらの着ぐるみで身を隠してるちゅーから、もうちょっと違うイメージを持ってたで。」
拳子 「どんなのですの?」
藍丸 「こんなんや!」
拳子ボードに何やらマジックでゴリラの様なゴツイ絵を描く藍丸。拳子もそれを見て大笑い。
藍丸 「なんか、極東埜一族は見た目もゴツイやろ。」
拳子 「それは、きっと、何か別なるモノに力をもらっていた証なのかもしれませんですわ。」

ニッコリ微笑む拳子にバツが悪そうに目線を逸らした拳世。

拳世 「今となっては恥ずかしい限りなのじゃ。うさぴょんマスター。それは、人の心に巣食う、卑しき欲望の力の象徴(器)だったとは…」

ゲンゴロウ 『それは、暗黒神テラーの足から生み出された、かつてワシらが戦い封印したトレイリアとレイディアントじゃ。そして、お主を操っておったのはテラーの左足とされるレイディアントの影響のかけらじゃ。』

和歌子 「私がお聞きした限りでは、拳世さんは拳子さんよりも美の意識が高かったと伺っております。」
わかな 「なるほどね。美=弱いと考えたあなた(拳世)は、自らの体型を見せるのが怖くなって、身を隠す術を探していたというわけね。」

拳世 「いかにもなのじゃ。しかるに、そこへ、うさぴょんマスターの着ぐるみが現れたのじゃ。わらわは気が狂うような修行をし、ようやくその着ぐるみを手にして以降、ものすごいパワーを得たのじゃ。」
拳子 「そういえば、お姉様が変わってしまったのもその時からですわ。それまでは甘いものが大好きで、いつも美味しい手作りお菓子でみんなを喜ばせてくれてました。」
藍丸 「へぇ。甘党やったんや?」
拳世 「お恥ずかしながらなのじゃ…」
和歌子 「いえいえ。甘いもの、すなわち糖分は節度さえ守ればとても体に大事な食材です。」
藍丸 「せやけど、一歩間違ぉたら、おデブちんにまっしぐらやけどな。」
みな、目を見合わせて苦笑い。

わかな 「そうね。おそらく、当初の目的が入れ替わり、着ぐるみのもたらすパワーを自身のものと錯覚してしまった。そして、そこに何らかの隙が生まれ、テラーの脅威のもたらす闇のパワーを増幅させたんでしょうね。」

拳世 「お恥ずかしい限りなのじゃ。」
拳子 「それでもなお、そのモデルの様な体型を維持されていたなんて。拳子、ビックリですわ。」
藍丸 「うーん。着ぐるみを着ていて中で汗をかいたことによって、想像以上のダイエット効果までもたらされたんかもしれへんな。」
和歌子 「あらまぁ。」
一堂、笑いに包まれる。

拳子 「でも、今の拳世お姉様はものすごくきれいですわ! 拳子も嫉妬しちゃいますですわ! 拳子はやっぱり拳世お姉様が世界で一番好きですわ!」
拳世の両手を取ると握り締め、拳子お得意の少女漫画エフェクトで瞳キラキラモード突入。

拳世 「け、拳子…あのような仕打ちをしたわらわを許してくれるというのか…」

拳子 「あれは、テラーの脅威さんが拳世お姉様にさせただけですわ。拳子は拳世お姉様が綺麗でいてくださることが一番嬉しいですわ!」
拳世 「拳子よ…」
涙を流して瞳キラキラのまま抱き合う姉妹。

本願寺 「ええ話ッテ感じ。」
猿飛 「そうだでヨォ。聞くも涙、語るも涙だでヨォ…」
本願寺 力太と猿飛 邪貴雄もまた、号泣している。

天野寺 「ったく…仕方ネェ奴らだゼ…」
天野寺もこっそり背中を向けて目頭を押さえていた。

和歌子 「一件落着ですね。」
藍丸 「そうやな。」

ゲンゴロウ 『では、この世界の調和も元に戻ったところで、そろそろ現実世界に戻る時間じゃ。』

わかな 「アナタの力で戻れるのでしょうね?」
ゲンゴロウ 『オフコースじゃわい!』


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